カッパ小僧
「はなちゃんやーい」
懐かしいなあ...。子供のころはお祭りというとサーカスや見せ物に心を躍らせたものです。だみ声のおばちゃんの呼び込みに鳥肌が立ち、小屋から立ち上る妖気の虜になってしまうのです。
大化の改新の時から...という歴史ある大国魂神社のご祭礼の境内に忽然と現れた小屋は《カッパ小僧》という見せ物でありました。外にはご丁寧に「見せ物とは」と書かれた画用紙がガムテープで貼られ、「お代は見てのお帰り」という常識も懇切丁寧に解説されているのでありました。この絵もどういう根拠の絵なのか...。カッパと一緒に育った男の子ということなのか?
そういえば、狼に育てられた《狼娘》や蛇を口から出したりする《蛇娘》もいたっけ。子供心に暗いテントの中に派手な振り袖に真っ白い化粧をした女が座っているのが、なんともオゾマシク猥雑に見えたものでした。しかしやることといえば細いシマヘビのようなものを鼻から通して口から出したりするだけで、これと言ってセンセーショナルなことは何もないのでした。それより何より、前口上のおじさんやおばさんの「はなちゃんやーい」という声の方が数倍恐ろしく、勝手にサーカスに売られてしまった女の子のお話を作り上げて可哀想に思ったりするのです。見せ物小屋の看板絵はおどろおどろしくて大好きです。大蛇を身体に巻いていながら蛇を噛み千切っている娘や、ろくろ首のようなもの、シャム兄弟やら身体が野獣で顔が人のものなどたくさんありますが、このカッパ小僧というのははじめて見ました。これは昔からは無かったような気がするんだけれど...。時代が変わるに連れてこういう見せ物の中身も変わっていくのかもしれません。

02/05/07