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2012年3月13日

もう一年

3.11が過ぎました。このところ、TVはつらい映像ばかりで、
とはいえ、意識に焼き付けておかなくてはいけないことばかりで、胸がつぶれそうな日々でした。
昨年、私の三本目のミュージカル『Desperate Broadway~男と女のラビリンス~』の稽古中に地震にあいました。
出演者43名、その他スタッフ。
4月1日が初日の舞台でした。
稽古場の照明が揺れ、鏡が倒れ、時計が落ち~、あまりの激しさに思考が停止したようでした。
全員、稽古場の外に避難した途端、女の子がパニック。
子供の頃、神戸の震災に遭っていたとのことでした。

その日から、チケットの予約がぴたっと止まりました。
劇場も一時閉館したところもあり、都内は計画停電。
公演を打つ環境にはありませんでした。
たくさんの公演が中止、それが大方の流れでした。

しかし、私たちは、震災後数日は休んだものの、交通機関が復旧した後は日々稽古。
ミュージカルはダンスが命、しかも曲はすべてオリジナル。
つまり稽古を休むわけにはいかなかったのです。時間との戦いでした。
4月1日の初日に向けて、日々稽古の毎日が続きました。

プロデューサーとして、公演をどうするか悩みました。
そして結論。
公演を中止する勇気と、突き進む勇気。
どちらもリスクがあります。
でも、同じリスクなら、前進する方を選びました。
今でもこの考えは間違いがなかったと思っています。

稽古中に、姿を消した出演予定者も数人。衣裳も作成していたのに。
この世界での常識のない人も実際にいた訳です。
その反対に、地震の影響で公演には出演できなくなったけど、
この公演のフォローに回りたいという出演予定者もいました。
人間模様。様々。

公演はかなり打撃を受けたけれど、脚本も若干書き換えて、震災復興応援プロジェクトとしました。
結果、出演者の心が一つになって、とてもいい舞台ができました。
この舞台に参加したすべての人間にとって、忘れられない
『Desperate abroadway3』
公演後、思うところあって、人間関係を整理しました。
いろいろ見えましたから。

そして一年が経って
復興が遅々として進まない現実。
日本中、世界中が応援してくれているのに。

私は今、次回作「昭和三部作」の一挙公演に向けての準備中です。
舞台から、何を伝えるか、それがすべて。
もうすぐ、動き出します。

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